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簿記の有資格者は就職・転職に有利?市場のニーズをもとに徹底調査!
簿記検定の有資格者は就職や転職に有利という情報は巷で良く耳にします。
会計系の知識は会社を運営していくにあたって必ず必要ですので、簿記で勉強したことがそのまま業務で活かせるためそう言われているのでしょう。
しかし、中には「簿記なんて全く役に立たない」という意見もあり、これから受験しようか迷っておられる方にとっては「どっちやねん!」と関西弁でツッコミをいれたくなるところでしょう。
そこでこの記事では、簿記の有資格者は就職や転職に有利なのか、はたまたそうではないのかを、市場のニーズを元に徹底調査してまとめました!
「簿記を取れば就職・転職に有利になるの?」
「就職するために何かの資格を取ればいいのか迷っている」
こんな疑問をお持ちの方は是非ご覧下さい!
求人媒体で簿記資格のニーズを読み解く
まず、簿記の有資格者のニーズを、求人媒体を使用して読み解いていきたいと思います。
今回使用する求人媒体は皆さんご存知「ハローワーク」と、「求人ボックス」です。
ハローワークは誰もが知っている厚生労働省管轄の求人サービス。求人ボックスは食べログや価格.comの運営会社である株式会社カカクコムが運営している求人情報サービスなので、信頼性も非常に高いので選びました。
まず、絞込み条件として給与の額は指定せず、全国で正社員の募集件数を調べてみました。
それぞれ入力したキーワードごとの検索ヒット件数は以下の通りです。
(※検索はすべて2020年3月に行ってます)
検索ワード | 募集件数 (ハローワーク) |
募集件数 (求人ボックス) |
簿記 | 6,098件 | 17,408件 |
簿記3級 | 2,957件 | 4,478件 |
簿記2級 | 2,055件 | 9,761件 |
簿記1級 | 186件 | 2,152件 |
上記のようなキーワードで検索した場合、なかなかの件数がヒットしてきました。
まぁ今回は地域指定とかもしてないので、皆さんが検索をされるときはもっと絞られてくると思いますが、それでも「簿記」に関するワードでこれだけの正社員雇用の求人数があるというのは結構需要はあるとみていいのではないでしょうか。
中でも特筆すべきはやはり「簿記2級」でしょう。
ハローワークでは簿記3級に少々差をつけられた件数となっておりますが、求人ボックスでは3級の倍以上の検索結果となっており、そのニーズの高さが伺えます。
以下の当サイト別記事でも書いておりますが、私も3級ではなく「2級」を持っていたという点が担当者の目にとまり、採用に至った経験を持ってますので、3級で終わるよりは2級取得まで目指した方が就職・転職に有利になるかと思います。
他の資格のニーズと簿記を比較
上記で簿記資格に関するニーズを調べました。
自分でやっといてこんなこと言うのもアレですが、正直件数だけ並べられても比較対象がないとこれが多いのか少ないのかも分からないですよねw
そこでお次は、他の有名どころの資格と比較してどうかというところを掘り下げていきましょう。
検索条件、使用する求人媒体は先ほどと同じで、検索ワードだけ変えてます。
検索ワード | 募集件数 (ハローワーク) |
募集件数 (求人ボックス) |
FP3級 | 71件 | 208件 |
FP2級 | 7件 | 1,489件 |
FP1級 | 6件 | 285件 |
税理士資格 | 106件 | 11,966件 |
公認会計士資格 | 4件 | 6,057件 |
秘書検定3級 | 102件 | 181件 |
秘書検定2級 | 25件 | 177件 |
秘書検定準1級 | 2件 | 28件 |
秘書検定1級 | 5件 | 57件 |
宅建 | 4,070件 | 14,087件 |
簿記と同じく会計系の資格であるFP(ファイナンシャルプランナー)や税理士、公認会計士といったところや、秘書検定や宅建などの人気資格も検索をかけてみました。
結果はご覧いただいたとおりで、簿記といい勝負ができているのは宅建くらいで(求人ボックスは税理士や公認会計士も多いですが)あとはかなりの件数差が出ています。
特に、同じような難易度の会計系資格であるFPと比べてみても、簿記の需要はかなり高いということがこの結果から見て取れます。
税理士や公認会計士は超難関の会計系国家資格ですから、その資格と同等クラスのニーズがあるというのは注目しておきたいところですね。
簿記を持っていたら実務未経験でも大丈夫?
簿記が需要のある資格だということはここまでで大体お分かりいただけたかと思います。
ここまで来ると、お次はこんな事思わないでしょうか?
「いくら簿記を取得したって、実務経験がないと就職できないんじゃないの?」
まさにこれは、私も私の嫁(ともに現在経理部所属)も同じ事を思いましたので、不安に思われている方もかなり多いのではないかと。
そこで、検索条件に「未経験可」を付け加えた場合、募集件数はどうなるのかを調べてみました。
検索ワード | 募集件数 (ハローワーク) |
募集件数 (求人ボックス) |
簿記 | 6,098件 | 17,408件 |
簿記3級 | 2,957件 | 4,478件 |
簿記2級 | 2,055件 | 9,761件 |
簿記1級 | 186件 | 2,152件 |
検索ワード | 募集件数 (ハローワーク) |
募集件数 (求人ボックス) |
簿記 | 498件 | 3,543件 |
簿記3級 | 233件 | 1,077件 |
簿記2級 | 156件 | 1,624件 |
簿記1級 | 12件 | 308件 |
検索条件を増やしているので件数が減るのは当然として、まぁでも結構減りますね(苦笑)
未経験の条件なしの場合から10分の1くらいの件数になっているところもありますし、多少でも経験はあった方が有利であることは間違いありません。
しかし、何もこれは簿記だけに限っただけではなく、どの資格でも未経験者OKというところはかなり絞られてきます。
会社からすると大体同じような給料を支払うわけですので、すぐに戦力として期待できる方がありがたいですもんね。
それでも3級、2級ともに1,000件を超える募集がありますので、実務経験がなくともそこまで悲観する必要はないかと思います。
簿記有資格者の求人例を抜粋してみた
というわけで、ここまで簿記の有資格者の求人がどれほどあるのかという部分を解説してきましたが、実際にどういった求人があるのか気になりますよね。
ここからは、3級~1級までの各級における求人を抜粋してご紹介したいと思います。(ここではハローワークの求人情報を参考にしております)
日商簿記3級保持者の求人例
会社情報 | 小規模税理士事務所 |
業務内容 | 会計業務全般 決算・税務申告 クライアント巡回 パソコン操作 |
経験・資格 | 日商簿記3級(あれば尚可) 税理士試験科目合格(あれば尚可) 会計事務所経験(あれば尚可) 普通自動車運転免許必須(AT限定可) |
給与 | 165,000円〜250,000円 |
勤務時間 | 8時45分〜17時15分(うち休憩時間60分) 時間外労働時間あり(月平均10時間) |
福利厚生 | 雇用保険/労災保険/健康保険/厚生年金/家族手当/役付手当/資格手当 |
休日等 | 日祝他 週休二日制:土曜日は事務所の定めた日(繁忙期1ヶ月半程度) 年間休日数:121日 |
会社情報 | 中規模医療法人 |
業務内容 | 法人の運営する病院・施設の経理業務全般 会計ソフト(勘定奉行)の入力作業 月次、年次決算 その他一般事務 |
経験・資格 | 日商簿記3級(必須) 日商簿記2級(あれば尚可) 普通自動車運転免許(必須※AT限定可) |
給与 | 163,600円〜191,600円 |
勤務時間 | 8時30分〜17時30分(うち休憩時間60分) 時間外労働時間あり(月平均10時間) |
福利厚生 | 雇用保険/労災保険/健康保険/厚生年金/家族手当/住宅手当 |
休日等 | 日祝他 週休二日制:各月9日~10日(2月は8日、閏年2月は8.5日)、シフト表による 年間休日数:112日 |
会社情報 | 小規模不動産会社 |
業務内容 | 【経理】 伝票データ入力、銀行への入金、管理建物の支払、歩合の計算 【総務】 入社手続き、保険手続、労務管理、宅建免許更新資料、社内イベントの手配など 【管理事務】 賃貸管理、事務のサポート業務 【営業事務】 営業の方のサポート業務 |
経験・資格 | 経理経験必須 日商簿記3級(必須) |
給与 | 230,000円〜280,000円 (うち固定残業代36,800円〜44,800円) |
勤務時間 | 9時15分〜18時00分(うち休憩時間60分) 時間外労働時間あり(月平均25時間) |
福利厚生 | 雇用保険/労災保険/健康保険/厚生年金/職能手当 |
休日等 | 日曜日,祝日,その他 週休二日制:土曜日隔週 年間休日数:96日 |
日商簿記2級保持者の求人例
会社情報 | 大規模会計事務所 |
業務内容 | 関与先企業の月次経理処理 決算書作成 経理ソフト入力 顧客先への会計指導、相談対応 |
経験・資格 | 日商簿記2級(必須) パソコン[ワープロ]可(必須) |
給与 | 270,000円〜400,000円 |
勤務時間 | 9時00分〜18時00分(うち休憩時間60分) 時間外労働時間あり(月平均20時間) |
福利厚生 | 雇用保険/労災保険/健康保険/厚生年金/確定申告手当 |
休日等 | 土曜日、日曜日、祝日 週休二日制:毎週(但し、繁忙期は土曜日出勤有) 年間休日数:123日 |
会社情報 | 中規模建設会社 |
業務内容 | 経理業務 総務補助(まれに外出業務あり) |
経験・資格 | 経理経験者 (建設業の経理経験者で有れば尚可) 日商簿記2級(あれば尚可) 建設業経理士2級(あれば尚可) 普通自動車運転免許(必須※AT限定可) |
給与 | 180,000円〜230,000円 |
勤務時間 | 8時00分〜17時00分(うち休憩時間60分) 時間外労働時間あり(月平均20時間) |
福利厚生 | 雇用保険/労災保険/健康保険/厚生年金/残業手当 |
休日等 | 土曜日、日曜日、祝日 週休二日制:毎週 年末年始、夏季休暇(盆) 年間休日数:122日 |
会社情報 | 大規模運送会社 |
業務内容 | 請求管理 売掛金・買掛金の管理 経費精算(交通費など) 現金管理(切手や印紙など) 支払い処理、入金消込 月次・年次決算 など |
経験・資格 | 経理の実務経験(あれば尚可) 日商簿記2級(あれば尚可) ※日商簿記3級程度の知識は必須 |
給与 | 240,000円〜305,000円 |
勤務時間 | 9時00分〜18時00分(うち休憩時間60分) 時間外労働時間あり(月平均20時間) |
福利厚生 | 雇用保険/労災保険/健康保険/厚生年金/財形 |
休日等 | 土曜日、日曜日、祝日 週休二日制:毎週 年間休日数:125日 |
日商簿記1級保持者の求人例
会社情報 | 中規模製造会社 |
業務内容 | 経理・財務・会計業務全般 (連結会計や財務、グループファイナンス等の業務を経験や能力により、まずは補佐から担当していただきます)海外子会社と英語でのメールやりとりがあります。 将来的に、海外子会社へ出張または短期出向し、子会社の会計指導 等を行っていただく場合があります。 |
経験・資格 | 経理・財務業務に従事していた経験(あれば尚可) 日商簿記2級(必須) 日商簿記1級(あれば尚可) 普通自動車運転免許(あれば尚可※AT限定可) |
給与 | 210,000円〜300,000円 |
勤務時間 | 8時30分〜17時40分(うち休憩時間70分) 時間外労働時間あり(月平均9時間) |
福利厚生 | 雇用保険/労災保険/健康保険/厚生年金/財形/社員寮(独身寮) /従業員持株会/高速道路通勤可※条件あり/資格取得補助/通信教育補助/人間ドック補助/制服夏冬支給/リフレッシュ連続休暇取得制度 |
休日等 | 日曜日、祝日 週休二日制:毎週(年に数回土曜出勤あり。夏季休暇、年末年始休暇あり) 年間休日数:122日 |
会社情報 | 中規模製菓会社 |
業務内容 | 【経理業務】 会計ソフト仕訳入力 売掛金、買掛金管理 その他、経理に付随する業務【決算業務】 決算修正仕訳入力 財務諸表などの作成 その他、決算に付随する業務 |
経験・資格 | 経理業務経験者 (必須) 日商簿記2級(必須) 日商簿記1級(あれば尚可) 普通自動車運転免許(あれば尚可※AT限定可) |
給与 | 250,000円〜400,000円 |
勤務時間 | 8時30分〜17時30分(うち休憩時間60分) 時間外労働時間あり(月平均20時間) |
福利厚生 | 雇用保険/労災保険/健康保険/厚生年金/商品購社員割引制度 |
休日等 | 日曜日 週休二日制:毎週(土曜日・祝日は、任意の日数範囲で選択できますので、平日のお休みは可能です) 年間休日数:105日 |
会社情報 | 大規模製薬会社 |
業務内容 | 原価計算及び管理業務、固定資産管理及び償却資産税申告書作成 法人税申告書作成 製品戦略における見積原価業務 月次会計処理業務 決算業務 |
経験・資格 | 経理業務経験(必須) 日商簿記2級(必須) 日商簿記1級(必須) 普通自動車運転免許(必須※AT限定可) |
給与 | 250,600円〜350,000円 |
勤務時間 | 8時30分〜17時20分(うち休憩時間55分) 時間外労働時間あり(月平均10時間) |
福利厚生 | 雇用保険/労災保険/健康保険/厚生年金/財形 |
休日等 | 土曜日、日曜日、祝日 週休二日制:毎週 年末年始 夏期休暇 年間休日数:124日 |
各級の求人を見てみた感想
ここまで各級ごとの求人を見てきましたが、やはり上の級が指定されている求人ほど待遇面が良かったり休日がしっかりあったりと【良いなと思える求人】が多くヒットした印象です。
上記に挙げたものを見てみても大体そういった傾向にありますし、3級よりは2級、2級よりは1級と上を目指せば目指すほどご自身が思い描いた求人に出会う可能性は高くなると思います。
あと、「経験・資格」の欄にはほとんど載せていませんが、「エクセルやワードが使用できる」という条件を挙げている会社がかなり多くありました。
これは、主に経理で使用する会計ソフトを使用する際に、エクセルシートと連動させて自動入力されるシステムが導入されているものが多くあるため、このような条件を挙げている会社が多くあるのだと思います。(※まぁ普通に請求書作成したり管理シートつけたりするのも基本的にエクセルですからね)
このようなことから、簿記取得を目標にする際はひとつでも上の級を目指す、エクセルやワードの基本操作はできるようにしておくということが大切だと思います。
まとめ
この記事では、簿記の有資格者は就職・転職に有利なのか?という疑問に対し、求人媒体などの情報をもとに解説してきました。
ここまで見てきた結論としては、簿記は他の資格と比べても非常に汎用性も高く、ニーズはかなり高いと言えるのではないでしょうか。
簿記以外の資格についてはそれぞれ専門性が高いため求人数が限定されてきますが、各級の求人例を見ていただければお分かりいただける通り、簿記は様々な業種の募集があります。
これはどんな業種の会社であってもお金を扱わないところなんてないわけで、その管理や整理というものを簿記の有資格であればこなしてくれるという市場全体の意識からきていると思います。
もちろん、より上の級を持っている、実務経験があるということも大事ですが、まずは最初の1歩、「日商簿記3級を取る」ということでかなり就職の間口が広がると思います。
「どうせ簿記なんて持ってても就職や転職に有利にはならないでしょ?」と思われていた方も、ぜひ簿記資格取得にチャレンジして就職・転職するにあたって有利な状況で挑んで下さいね^^
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