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簿記は簡単?難しい?簿記検定の難易度を独自の視点で解説

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これから簿記の勉強をしよう、受験をしようとしている方にとって、簿記検定の難易度はどれくらいなのか気にしておられる方も多いのではないでしょうか。

簿記は会計業務を行うのに必須の資格であり、個人事業主が自分で青色申告をする場合にも必要な知識になってきます。

こう聞くと「なんか難しそうだな~」「いや、私数字苦手だし…」と感じる方もいるかもしれませんし、世間では「簿記なんて簡単だし誰でも取れるよ!」という意見もチラホラ見かけます。

そこでこの記事では、簿記検定の難易度がどんなものなのかを日商簿記検定2級保持者である管理人が独自の視点で解説していきたいと思います。

簿記検定の級ごとの難易度は?


簿記というと日商簿記、全商簿記、全経簿記などが一般的に挙げられますが、ここでは一番王道の「日商簿記検定」をテーマにご紹介します。

日商簿記検定は1級、2級、3級、初級、原価計算の5つに分かれていて、初級と原価計算は簿記の基礎知識であって実務レベルには足りませんので、ここでは初級と原価計算の難易度は省きたいと思います。

で、各級の難易度と学習内容を以下にザックリとまとめてみました。

難易度 学習内容等
3級 低め 中小企業や個人事業主の実務レベルで必要になる知識を学ぶことができる。
2級 ちょい高 企業の財務担当レベルで、原価計算を含む工業簿記や財務諸表から経営状態を把握できるようになる。「工業簿記」が試験範囲に入ってくる。
1級 高い 単なる簿記能力だけでなく会計学や会社法といった学問としての知識を学ぶ。公認会計士や税理士を目指す方のステップになる。

簿記3級はそこまで難易度の高いものではありませんが、2級からは工業簿記が試験範囲に入ってくるため、かなり難易度は上がります。

一般的には2級を持っていると即戦力の実務レベルと認められる為、商業高校ではこの2級を取得することが多くなってきていますし、高校によっては必須のところも増えているとか。

また、1級に関しては合格すると税理士の受験資格を得ることが出来るので、経済・経営・商業系の大学で専門的に学び、将来は公認会計士や税理士になる人が狙うレベルです。

ここまでおおまかな内容を記載しましたが、これを見るだけでも1級だけはレベルが違うように感じたのではないでしょうか。

はい、合ってますww

1級だけは飛びぬけてレベルが高くなるわけですが、ここからは本題の簿記における難易度を管理人独自の視点で解説していきますね。

義務教育で学ぶことが無いので過剰に難しいと思いがち

いきなり根本的な問題ですが、簿記は商業系の学校に行かない限り義務教育で学ぶことがない、いわば専門知識の部類になります。

正直、私からすると中学の数学で「三平方の定理」とか勉強するよりよっぽど大事な知識だと思うのですがw

社会人として知っておくべき知識のはずなのに自分で学べというスタイルが、簿記は過剰に難易度が高いと思われる大きな要因として考えられます。

まぁその印象とは裏腹に、実際は足し算と引き算が出来て普通の国語能力がある人ならそこまで難易度は高くありません。

私も中学の数学は5段階の「2」というほぼアウトな成績でしたが、こうして簿記2級を取得できていますからw

特に3級に関しては簿記の基礎となる知識を学ぶため、専門知識だから、数字が苦手だからと敬遠せずに、とりあえず一歩踏み出してみることが大事になってくると思います。

実務経験を積んでからの受験が難しいのがネック

簿記は基本的に企業の経理部や財務部といった部署で必要なスキルになりますので、実務で経験すれば理解が深まるのが早そうですよね。

しかし、会社の経理部、財務部に所属している人というのは、大体が簿記の資格をすでに持っている方です。

実際に求人などを見ていただければ分かると思うのですが、経理部や財務部の求人は【日商簿記検定2級以上】の文字が結構並んでおり、実務経験を積んでから受験をするというのは現実問題としてなかなか難しいんです。

私も経理職に就きたくて転職活動をしていましたが、求人を見ていても【日商簿記検定2級以上取得】という条件がかなり多いという印象でしたので、魅力的な会社の経理職、財務職に就きたいと考えておられるのであれば、日商簿記2級は最低でも持っておきたいところです。

まぁ3級までなら独学でも合格できる確率はある程度あるとは思いますが、2級からは難易度もかなり上がるので、資格学校に通うなり通信講座で勉強するなりする必要があるんじゃないかなと思います。

2級から出てくる工業簿記が難易度を爆上げ

これは管理人独自の視点というか一般的によく言われていることですが、3級と比べ2級は途端に合格率が下がります。

その理由としては、2級からは工業簿記という難敵が突然姿を現すというのが一番の原因ではないかと思います。

管理人もスライム(簿記3級)を倒して余裕こいてたら、いきなりデスピサロ(工業簿記)に出くわして何度も瀕死になりましたw
ドラクエ分からない方はすいませんww

話は逸れましたが、管理人がそんなに難しい難しい言っている工業簿記とはなんぞや?と思う方もいるでしょう。

そもそも私たちが一般的に「簿記」と言っているのは商業簿記の事で、商業簿記は物やサービスを売買し、お金を受け取ったり支払ったりする取引を記録する方法。

一方、工業簿記は「製品を作るのにかかった費用の計算」や「工場で必要になる記録の方法」を学ぶことになります。

工業簿記は自社で製品を製造していない会社に勤めていては触れることはまずありませんし、実務で学ぼうとしても出来ない可能性が高いです。

そんな日常業務でやってない事を理解するのには当然時間もかかりますよね。

2級では、この費用の計算(原価計算)を含んだ工業簿記がいきなり現れ、全体の4割をこの工業簿記に関しての問題で占めることになるため、難易度はかなり高くなります。

日商簿記2級は全体の7割を正解しないと不合格になる為、たとえ商業簿記の問題が満点でも、工業簿記が全くできなければ不合格になってしまいます。

また、当たり前ですが、商業簿記の問題も3級より分かりにくい内容になっており、工業簿記に時間を取られて難しくなった商業簿記にお手上げというケースも少なくないので、時間配分も大切な要素のひとつになります。

合格率の傾向から読み解く難易度と狙い目の受験回

日商簿記検定は1級を除き1年に3回試験が実施され、問題はもちろん各回で全て違います。(1級は年2回の実施)

合格率もどの回を受験するかによって結構バラバラになっていますので、難しい問題が出る回に当たってしまうと悲惨な結果になってしまいます。

とはいえ、簿記をしっかりと理解していれば解けるはず…なんですけど、やはりマニアックな問題がたくさん出る回は受験したくないですよね。

そこで過去10回の合格率を振り返って調べてみると、3級は合格率50%以上だった回の次はガクンと下がり、2級では合格率が低かった回の次の回は合格率が少し高くなるという傾向にあることが判明しました。
(※多少違う部分もありますが)

■日商簿記3級
実施回 受験者数 合格者数 合格率
145 80,832人 38,289人 47.37%
146 80,227人 40,880人 50.96%
147 88,970人 35,868人 40.31%
148 78,243人 38,246人 48.88%
149 79,421人 35,189人 44.31%
150 88,774人 38,884人 43.80%
151 80,360人 44,302人 55.13%
152 72,435人 40,624人 56.08%
153 80,130人 34,519人 43.08%
154 76,896人 37,744人 49.08%
155 新型コロナウイルスの影響で中止
平均合格率 48.90%
■日商簿記2級
実施回 受験者数 合格者数 合格率
145 60,238人 15,075人 25.03%
146 43,767人 20,790人 47.50%
147 47,917人 10,171人 21.23%
148 48,533人 14,384人 29.64%
149 38,352人 5,964人 15.55%
150 49,516人 7,276人 14.69%
151 49,776人 6,297人 12.65%
152 41,995人 10,666人 25.40%
153 48,744人 13,195人 27.07%
154 46,939人 13,409人 28.57%
155 新型コロナウイルスの影響で中止
平均合格率 24.73%

というか、2級に関しては過去10回を見ただけでも一番低い12.65%一番高い47.50%では約4倍合格率が違うわけで、さすがに変動が激しすぎる気がしますね(苦笑)

問題を作る方も人間ですから、ちょっとやり過ぎたな…って思うのでしょうか。

また、2級で149回~151回の合格率がかなり低くなっておりますが、このあたりはちょうど試験範囲の改定が行われたことが大きく影響しているように思います。

第151回に関しては直近10年で最低の合格率ですが、この回は2級の出題範囲を逸している(公認会計士レベルだったらしい)とかなり問題になっていたので、今後はここまで下がることはないのかなと推測しています。

で、簿記1級に関しては合格率が毎回10%前後で推移しており、安定して難しいといった印象です。

■日商簿記1級
実施回 受験者数 合格者数 合格率
140 8,108人 716人 8.83%
141 9,087人 873人 9.61%
143 7,792人 846人 10.86%
144 8,416人 783人 9.30%
146 7,103人 626人 8.81%
147 8,286人 487人 5.88%
149 7,501人 1,007人 13.42%
150 7,588人 680人 8.96%
152 6,788人 575人 8.47%
153 7,520人 735人 9.77%
155 新型コロナウイルスの影響で中止
平均合格率 9.39%

一説では、1級は簿記検定の最高位に値する為、そう簡単に合格させないよう採点基準を調整しているのではと言われています。

真意は分かりませんが、簿記1級が大変難しい試験であることは間違いありません。

まぁ合格率の話を軽くまとめると、3級と2級は合格率が低かった回の次を狙うと合格率が高い回に当たる可能性が高くなり、逆に異常に合格率が高い回の次は避けた方が無難。

1級は「合格率なんて気にせずとにかく勉強頑張りましょう!w」という感じです。

ただ、この傾向も必ずしも当てはまるとは限りませんので、しっかり勉強してどんな問題が出ても解けるようにしておくのが一番であることは間違いないです。

この傾向が当てはまらなかったからお前のせいで不合格になった!とか言わないで下さいねww

簿記検定の難易度まとめ

今回は簿記検定の難易度を独自の視点で解説してきました。

簿記は専門知識なので義務教育では学ぶ機会がほとんど無く、すごく難しいものだと思いがちですが、順を追ってしっかり学習していけばそこまで難易度の高い資格ではありません。

もちろん1級とかになると話は別ですが、3級は資格試験の中ではかなり易しい部類ですし、2級も工業簿記を徹底的に学習すれば十分合格できる資格だと思います。

ただ、上でもチラッと言いましたが、2級になるとかなり難易度が上がるので、資格学校や通信講座で学習するのがベターかと思います。

3級に関しても独学だと当然合格率は下がりますから、自分に合った講座が見つかれば受講しておきたいところです。

簿記は社会に出ると結構重宝される知識になりますので、基礎知識くらいは是非頭に入れておきたいですし、この記事で紹介したポイントもふまえた上でしっかり勉強してから試験に挑んでください!



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